「飲食店を開業したいけど、どんな届出が必要なの?」「届出の種類が多くて何から手を付ければいいかわからない」。飲食店の開業では、複数の届出・許認可を異なる行政機関に提出しなければなりません。
結論から言えば、飲食店開業に必須の届出は最低でも5〜6種類あり、届出先も保健所・消防署・税務署・警察署と多岐にわたります。1つでも漏れると営業停止や罰則の対象になる可能性があるため、事前にすべての届出を把握しておくことが極めて重要です。
この記事では、飲食店開業に必要な届出・許認可の全一覧表から、各届出の申請手順、費用、提出期限、届出を忘れた場合のリスクまで網羅的に解説します。開業準備のチェックリストとしてぜひ活用してください。
自己紹介
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株式会社WEBRIES 代表取締役
小宮 康利
飲食店開業に必要な届出・許認可の全一覧表

飲食店を開業する際に必要となる届出・許認可は、業態や規模によって異なります。まずは全体像を一覧表で把握しましょう。
全飲食店に共通して必要な届出
どのような業態の飲食店であっても、以下の届出は必ず必要です。
| 届出・許認可 | 届出先 | 期限の目安 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 保健所 | 開業の2〜3週間前 | 16,000〜19,000円程度 |
| 食品衛生責任者の設置 | 保健所 | 営業許可申請時 | 講習受講費10,000円程度 |
| 防火管理者の選任届 | 消防署 | 営業開始前 | 講習受講費6,500〜7,500円 |
| 個人事業の開業届 | 税務署 | 開業日から1ヶ月以内 | 無料 |
| 青色申告承認申請書 | 税務署 | 開業日から2ヶ月以内 | 無料 |
上記の中でも、飲食店営業許可は最も重要な許認可です。この許可を取得せずに営業を開始すると、食品衛生法違反として2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられます。
業態・条件によって追加で必要な届出
店舗の業態や営業形態によっては、追加の届出が必要になるケースがあります。
| 届出・許認可 | 届出先 | 対象となる条件 |
|---|---|---|
| 深夜酒類提供飲食店営業届 | 警察署(公安委員会) | 深夜0時以降に酒類を提供する場合 |
| 風俗営業許可 | 警察署(公安委員会) | 接待行為を伴う飲食店(スナック・キャバクラ等) |
| 菓子製造業許可 | 保健所 | テイクアウトで菓子を製造・販売する場合 |
| 酒類販売業免許 | 税務署 | テイクアウトで酒類を販売する場合 |
| 労災保険の届出 | 労働基準監督署 | 従業員を1人以上雇う場合 |
| 雇用保険の届出 | ハローワーク | 週20時間以上働く従業員がいる場合 |
| 社会保険の届出 | 年金事務所 | 法人の場合、または常時5人以上の従業員がいる場合 |
自分の店舗にどの届出が必要かを正確に把握するために、開業予定地の保健所や消防署に事前相談することを強くおすすめします。
保健所への飲食店営業許可申請|手順と審査のポイント

飲食店営業許可は、全ての飲食店に必要な最も基本的な許認可です。保健所への申請から許可取得までの流れを詳しく解説します。
飲食店営業許可の申請に必要な書類
飲食店営業許可を申請する際に必要な書類は以下のとおりです。
- 営業許可申請書:保健所の窓口またはウェブサイトから入手
- 施設の構造及び設備を示す図面:厨房のレイアウト、手洗い設備の位置などを記載
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの:修了証書のコピーなど
- 水質検査成績書:貯水槽使用水や井戸水を使用する場合のみ
- 登記事項証明書:法人の場合に必要
- 申請手数料:自治体により異なるが16,000〜19,000円程度
書類に不備があると再提出を求められ、開業が遅れる原因になります。申請前に保健所の窓口で事前相談を受けておくと、書類の記載方法や施設基準について具体的なアドバイスがもらえます。
営業許可取得までの流れ(5ステップ)
飲食店営業許可の取得は、以下の5ステップで進めます。
ステップ1:保健所への事前相談(開業2〜3ヶ月前)
店舗の設計段階で保健所に相談しましょう。施設基準を満たさない設計のまま内装工事を進めてしまうと、後から改修が必要になり費用と時間の無駄になります。図面を持参して、設備の配置や衛生基準について確認してください。
ステップ2:施設基準に合った内装工事の実施
保健所の指導内容を反映して内装工事を行います。飲食店の施設基準で特に重要なポイントは後述します。
ステップ3:必要書類をそろえて申請(開業2〜3週間前)
内装工事が完了したら、必要書類を持って保健所に申請します。この時点で食品衛生責任者の資格取得が完了していなければなりません。
ステップ4:保健所による施設検査
申請後、保健所の食品衛生監視員が店舗を訪問し、施設が基準を満たしているか検査します。検査では以下のポイントが重点的にチェックされます。
ステップ5:営業許可証の交付
検査に合格すると、営業許可証が交付されます。許可証は店内の見やすい場所に掲示する義務があります。交付までの日数は自治体によって異なりますが、通常は申請から1〜2週間程度です。
施設検査で必ずチェックされる基準
保健所の施設検査では、以下の基準を満たしているかが確認されます。事前に全項目をクリアしておきましょう。
- 厨房と客席の区画:調理場と客席が明確に区分されていること
- 手洗い設備:厨房内に従業員専用の手洗い設備があること(センサー式や肘で操作できるレバー式が望ましい)
- 洗浄設備:食器・器具を洗浄できるシンクが2槽以上あること
- 床・壁・天井:清掃しやすい材質で、排水が適切に行われること
- 換気設備:十分な換気能力を持つ設備があること
- 冷蔵・冷凍設備:食材を適切な温度で保管できる設備があること
- 防虫・防鼠設備:網戸やエアカーテンなど、害虫・ネズミの侵入を防ぐ設備があること
- 廃棄物の保管設備:蓋付きのゴミ箱があり、適切に管理されていること
検査で不適合箇所が見つかった場合は、改善後に再検査となります。再検査に追加費用はかかりませんが、営業開始が遅れるため、事前の準備を万全にしておくことが大切です。
食品衛生責任者の資格取得方法

食品衛生責任者は、飲食店を営業するために必ず1名以上配置しなければならない資格者です。取得方法は複数あるので、自分に合った方法を選びましょう。
食品衛生責任者になれる人の条件
食品衛生責任者になるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 食品衛生責任者養成講習会を修了した人:最も一般的な取得方法
- 調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格保持者:講習なしで食品衛生責任者になれる
- 食品衛生管理者の資格保持者:医師、歯科医師、薬剤師、獣医師なども該当
調理師免許を持っている場合は、養成講習会を受講する必要はありません。免許のコピーを添えて届出するだけで食品衛生責任者として認められます。
養成講習会の受講方法と内容
食品衛生責任者の養成講習会は、各都道府県の食品衛生協会が開催しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受講時間 | 合計6時間(1日で修了) |
| 受講費用 | 10,000円前後(自治体により異なる) |
| 受講資格 | 17歳以上であれば誰でも受講可能 |
| 合格率 | ほぼ100%(テストは確認程度) |
| 受講方法 | 会場受講またはeラーニング(自治体による) |
講習内容は「衛生法規(2時間)」「公衆衛生学(1時間)」「食品衛生学(3時間)」の3科目です。最後に簡単な確認テストがありますが、講義を聞いていれば問題なく合格できます。
近年はeラーニングに対応した自治体も増えており、自宅で受講できるケースもあります。ただし、開業予定地の自治体の講習会に空きがないと受講が遅れる可能性があるため、早めに申し込みましょう。
食品衛生責任者の届出手続き
養成講習会を修了したら、以下の手順で届出を行います。
- 修了証書を受け取る(講習会当日に交付される場合が多い)
- 飲食店営業許可申請の際に、修了証書のコピーを添付して保健所に提出する
- 店舗内の見やすい場所に食品衛生責任者のプレートを掲示する
食品衛生責任者は店舗ごとに1名以上の配置が義務付けられています。オーナー自身が取得するか、社員の中から1名を選任する必要があります。責任者が退職した場合は、速やかに後任者を選任して届け出なければなりません。
防火管理者の届出と消防署への手続き

飲食店は火を使う業態のため、消防関連の届出も重要です。特に収容人数が30人以上の店舗では、防火管理者の選任が法律で義務付けられています。
防火管理者の選任が必要な条件
防火管理者の選任が必要かどうかは、店舗の収容人数によって決まります。
| 収容人数 | 防火管理者の種類 | 講習時間 |
|---|---|---|
| 30人未満 | 選任不要 | ― |
| 30人以上(延床面積300㎡未満) | 乙種防火管理者 | 1日(約5時間) |
| 30人以上(延床面積300㎡以上) | 甲種防火管理者 | 2日(約10時間) |
「収容人数」には、従業員の数も含まれます。例えば客席20席+従業員10名の場合、合計30人となり防火管理者の選任が必要です。小規模な店舗であっても、従業員数を含めると30人を超えるケースは珍しくありません。
防火管理者講習の受講と届出の流れ
防火管理者の資格を取得し、届出を完了するまでの手順は以下のとおりです。
- 講習の申込み:一般財団法人日本防火・防災協会のウェブサイトまたは最寄りの消防署で申込む
- 講習の受講:乙種は1日、甲種は2日の講習を受講する(受講費用は6,500〜7,500円程度)
- 修了証の受領:講習修了後に修了証が交付される
- 消防計画の作成:店舗の消防計画を作成する(消防署でひな形を入手可能)
- 防火管理者選任届の提出:消防計画とともに管轄の消防署に届出る
講習は全国各地で定期的に開催されていますが、人気が高く定員に達しやすいため、2ヶ月前には申込みを済ませましょう。
消防署へのその他の届出
防火管理者の選任届以外にも、以下の届出が必要になる場合があります。
- 防火対象物使用開始届:店舗の使用を開始する7日前までに届出
- 火を使用する設備等の設置届:厨房のガス設備や業務用コンロなどを設置する場合
- 消防用設備等設置届:消火器、火災報知器、誘導灯などを設置した場合
内装工事の段階から消防署に相談しておくと、必要な届出を漏れなく把握でき、工事のやり直しを防ぐことができます。
税務署への開業届と青色申告承認申請

個人事業主として飲食店を開業する場合、税務署への届出も忘れてはいけません。特に青色申告承認申請は期限を過ぎると1年間待たなければならないため注意が必要です。
開業届の書き方と提出方法
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、個人事業主として事業を始めたことを税務署に届け出る書類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出先 | 納税地を管轄する税務署 |
| 提出期限 | 事業開始日から1ヶ月以内 |
| 提出方法 | 税務署窓口・郵送・e-Tax |
| 届出費用 | 無料 |
| 届出用紙の入手先 | 国税庁ウェブサイトからダウンロード |
開業届の主な記載項目は以下のとおりです。
- 納税地:自宅住所または店舗住所を記載
- 氏名・生年月日・個人番号(マイナンバー)
- 職業:「飲食店経営」「飲食業」など
- 屋号:店舗名を記載(任意だが記載を推奨)
- 届出の区分:「開業」に丸をつける
- 開業日:実際に営業を開始する日
- 事業の概要:「飲食店の経営」など簡潔に記載
- 給与等の支払の状況:従業員を雇用する場合に記載
開業届を提出すると、屋号名義の銀行口座を開設できるようになります。事業用口座を個人口座と分けておくことで、確定申告時の帳簿管理が格段に楽になります。
青色申告承認申請書を忘れずに提出する
青色申告で確定申告を行いたい場合は、開業届とは別に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出先 | 納税地を管轄する税務署 |
| 提出期限 | 開業日から2ヶ月以内(1月1日〜15日に開業の場合は3月15日まで) |
| 届出費用 | 無料 |
青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除、赤字の3年間繰越、30万円未満の資産の一括経費計上など、大きな節税メリットを受けられます。
注意すべきポイントは、提出期限を1日でも過ぎると、その年は白色申告しかできなくなる点です。翌年から青色申告に切り替えることは可能ですが、開業初年度の節税メリットを丸ごと失ってしまいます。開業届と同時に提出するのが確実です。
その他の税務関連届出
従業員を雇用する場合は、以下の届出も必要になります。
- 給与支払事務所等の開設届出書:従業員を雇い始めてから1ヶ月以内に提出
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:従業員10人未満の場合、源泉所得税の納付を年2回にまとめられる
- 青色事業専従者給与に関する届出書:家族に給与を支払い、経費にする場合に提出
これらの届出は開業届と一緒に提出すると手間が省けます。税務署の窓口で「飲食店を開業する」と伝えれば、必要な届出書類を一式まとめて案内してもらえます。
深夜酒類提供飲食店営業届|届出が必要な条件と手続き

深夜0時以降もお酒を提供する飲食店(居酒屋・バー・ダイニングバーなど)は、警察署への届出が必要です。
深夜酒類提供飲食店営業届が必要なケース
以下の条件を両方満たす場合に届出が必要です。
- 深夜0時以降に営業する
- 酒類を主として提供する(または酒類の提供が営業の主要な部分を占める)
注意点として、ラーメン店やファミリーレストランのように「食事がメインで酒類は補助的に提供する」場合は、深夜営業でもこの届出は不要です。ただし、判断が難しいケースもあるため、管轄の警察署に事前確認することをおすすめします。
届出に必要な書類と手続きの流れ
深夜酒類提供飲食店営業届の手続きは以下のとおりです。
必要書類:
- 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
- 営業の方法を記した書類
- 店舗の平面図(客席・調理場・照明の配置を記載)
- 店舗周辺の見取り図
- 住民票の写し(法人の場合は登記事項証明書)
- 食品衛生法に基づく飲食店営業許可証のコピー
手続きの流れ:
- 管轄の警察署(生活安全課)に事前相談する
- 必要書類を準備して届出を提出する(営業開始の10日前まで)
- 届出が受理されたら営業を開始できる
許可制ではなく届出制のため、書類に不備がなければ基本的に受理されます。ただし、用途地域によっては深夜酒類提供飲食店を営業できないエリアがあるため、物件選びの段階で確認が必要です。
深夜営業で守るべきルール
届出後も、以下のルールを遵守する必要があります。
- 客引き行為の禁止:路上で通行人に声をかけて来店を促す行為は禁止
- 騒音の規制:近隣住民への配慮として、過大な音量の音楽や騒音を出さない
- 照明の基準:客席の照度を20ルクス以上に保つこと(暗すぎる照明はNG)
- 店舗構造の基準:見通しを妨げる高さ1メートル以上の仕切りを設けないこと
- 18歳未満の立入制限:深夜時間帯に18歳未満の者を客として立ち入らせない
これらのルールに違反すると、営業停止処分や罰金の対象となります。特に客引き行為は近年取締りが厳しくなっているため十分注意してください。
届出のスケジュールと届出漏れのリスク

複数の届出を効率よく進めるために、時系列でスケジュールを整理しましょう。届出を忘れた場合の罰則も把握しておくことが大切です。
開業3ヶ月前〜開業日までのスケジュール表
以下は、開業日から逆算した理想的なスケジュールです。
| 時期 | やるべきこと |
|---|---|
| 開業3ヶ月前 | 保健所への事前相談、食品衛生責任者の養成講習会に申込み |
| 開業2.5ヶ月前 | 防火管理者講習に申込み、物件の用途地域を確認 |
| 開業2ヶ月前 | 食品衛生責任者の養成講習会を受講、内装工事の設計を確定 |
| 開業1.5ヶ月前 | 内装工事開始、防火管理者講習を受講、消防署への事前相談 |
| 開業1ヶ月前 | 内装工事完了、防火対象物使用開始届を消防署に提出 |
| 開業3週間前 | 飲食店営業許可の申請(保健所) |
| 開業2週間前 | 保健所の施設検査、営業許可証の交付 |
| 開業10日前 | 深夜酒類提供飲食店営業届の提出(該当する場合) |
| 開業日 | 営業開始 |
| 開業後1ヶ月以内 | 開業届・青色申告承認申請書を税務署に提出 |
| 開業後速やかに | 労災保険・雇用保険の届出(従業員がいる場合) |
スケジュール管理で特に重要なのは、講習会を早めに予約すること(都市部では2ヶ月先まで満席になることもある)、保健所への事前相談を内装設計段階で行うこと、そして届出書類を一箇所にまとめて「提出済み」「未提出」を明確に管理することです。
届出を怠った場合の罰則一覧
各届出を怠った場合のリスクは以下のとおりです。
| 届出 | 罰則・リスク |
|---|---|
| 飲食店営業許可 | 2年以下の懲役または200万円以下の罰金(食品衛生法違反) |
| 食品衛生責任者の未設置 | 営業許可の取消し・営業停止処分の可能性 |
| 防火管理者の未選任 | 30万円以下の罰金または拘留(消防法違反) |
| 開業届の未提出 | 罰則なし(ただし青色申告ができない等のデメリットあり) |
| 深夜酒類提供飲食店営業届の未届出 | 50万円以下の罰金(風営法違反) |
| 労災保険の未届出 | 事故発生時に保険給付額の最大40%を事業主が負担 |
届出が遅れてしまった場合の対処法
万が一届出が遅れてしまった場合は、以下の対処を行ってください。
**飲食店営業許可が未取得の場合:**許可を取得するまで営業を停止し、速やかに保健所に申請してください。無許可営業の期間が長いほど処分が重くなる可能性があります。
**開業届が遅れた場合:**開業届には罰則がないため、気付いた時点で速やかに提出すれば問題ありません。ただし、青色申告承認申請書の提出期限(開業日から2ヶ月以内)を過ぎると、その年度の青色申告ができなくなるため注意が必要です。
**防火管理者の選任が遅れた場合:**早急に講習を受講し、選任届を提出してください。消防署から指導を受けている場合は、改善計画を提出して対応状況を報告します。
**深夜酒類提供飲食店営業届が未届の場合:**直ちに深夜の酒類提供を停止し、警察署に届出を提出してください。無届出のまま営業を続けると、摘発された場合に50万円以下の罰金が科せられます。
いずれの場合も、「知らなかった」は言い訳にならず、無届出の期間が長いほどリスクは大きくなります。開業前にこの記事のチェックリストを活用して、漏れのない届出を心がけてください。
まとめ:飲食店開業の届出は計画的な準備が成功のカギ

飲食店開業に必要な届出・許認可について、改めて要点を整理します。
- 全飲食店に共通で必要な届出は、飲食店営業許可・食品衛生責任者・防火管理者・開業届・青色申告承認申請書の5つ
- 業態によっては深夜酒類提供飲食店営業届、菓子製造業許可、労災保険・雇用保険の届出も必要
- 飲食店営業許可は最重要の許認可であり、無許可営業は2年以下の懲役または200万円以下の罰金
- 食品衛生責任者は養成講習会(1日・約10,000円)を受講すれば誰でも取得できる
- 防火管理者は収容人数30人以上(従業員含む)の場合に選任が必須
- 青色申告承認申請書は提出期限を1日でも過ぎるとその年は青色申告不可
- 届出のスケジュールは開業3ヶ月前から逆算して計画する
- 届出を忘れると罰則だけでなく、営業停止のリスクもある
飲食店の開業準備は、物件探しや内装工事、メニュー開発など多くの作業が同時進行します。届出の準備が後回しになりがちですが、1つでも漏れると開業日に営業を始められない事態になりかねません。この記事の一覧表とスケジュールを活用して、計画的に届出を進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 飲食店の開業に最低限必要な届出は何ですか?
A. 飲食店の開業に最低限必要な届出は、保健所への飲食店営業許可申請、食品衛生責任者の設置、税務署への開業届の3つです。加えて、収容人数が30人以上(従業員含む)の場合は防火管理者の選任届、節税のために青色申告承認申請書の提出も強くおすすめします。業態によっては深夜酒類提供飲食店営業届なども必要になるため、事前に管轄の保健所や消防署に確認しましょう。
Q. 食品衛生責任者の資格はどうやって取得しますか?
A. 食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催する養成講習会(1日・約6時間)を受講することで取得できます。受講費用は10,000円前後で、17歳以上であれば誰でも受講可能です。最後の確認テストはほぼ全員が合格できる内容です。なお、調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格を持っている方は、講習を受けずに食品衛生責任者になれます。
Q. 飲食店営業許可の申請から取得までどのくらいかかりますか?
A. 飲食店営業許可の申請から取得までは、通常1〜2週間程度です。ただし、施設検査で不適合箇所が見つかった場合は改善後に再検査となるため、さらに時間がかかります。スムーズに進めるコツは、内装工事の設計段階で保健所に事前相談し、施設基準を確認しておくことです。開業日の2〜3週間前には申請できるよう逆算してスケジュールを組みましょう。
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 開業届を提出しなくても法律上の罰則はありません。ただし、届出をしないと屋号名義の銀行口座が開設できない、青色申告承認申請書を提出できないため節税メリット(最大65万円控除)を受けられない、融資の審査で不利になるなどのデメリットがあります。開業届は無料で提出でき、手続きも簡単なので、開業日から1ヶ月以内に必ず提出しましょう。
Q. 深夜酒類提供飲食店営業届はどんな店に必要ですか?
A. 深夜0時以降に酒類を提供する飲食店(居酒屋、バー、ダイニングバーなど)に必要な届出です。届出先は管轄の警察署で、営業開始の10日前までに提出します。許可制ではなく届出制のため、書類に不備がなければ受理されます。ただし、ラーメン店のように食事がメインで酒類提供が補助的な場合は不要です。無届出で営業すると50万円以下の罰金が科される可能性があるため注意が必要です。


