「値上げしたいけど、お客さんが離れてしまうのが怖い」。原材料費が高騰する今、多くの飲食店オーナーが抱える悩みです。
結論から言えば、正しい方法で値上げすれば客離れは防げます。実際に値上げ後も売上を維持・拡大している飲食店は数多く存在します。
大切なのは「いくら上げるか」ではなく「どう上げるか」です。この記事では、飲食店の値上げで客離れを防ぐ具体的な方法を7つ紹介します。段階的な値上げの進め方から成功事例まで、実践的な内容をまとめました。
自己紹介
元アフィリエイター。SEOアフィリエイトを武器に「お金借りる」「育毛剤 おすすめ」「わきが対策」などあらゆるBigキーワードにてSEO1位を獲得。2015年に起業後1年で年商1億円を突破。その後、飲食店のマーケティングにも携わり、Googleクチコミを1店舗で1万件を獲得。Webマーケティングの知識とGoogleクチコミの獲得ノウハウを元に、売上UPを目指す飲食店オーナーの方に広く伝えている。日本の素晴らしい食文化を世界の人にもっと知ってもらうこと、日本の外食産業で働く方の年収を1,000万円以上にするという目標を掲げて仕事に勤しんでる。
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株式会社WEBRIES 代表取締役
小宮 康利
飲食店を取り巻く原材料費高騰の現状

まず、なぜ今値上げが必要なのかを数字で確認しましょう。
原材料費率は37.5%まで上昇している
日本フードサービス協会の調査によると、飲食店の原材料費率は37.5%に達しています。一般的に飲食店の適正な原材料費率は30〜35%とされており、すでに限界を超えている状態です。
主な原材料の価格上昇率は以下のとおりです。
| 食材カテゴリ | 上昇率(2年前比) |
|---|---|
| 食用油 | 約40〜50%上昇 |
| 小麦粉 | 約20〜30%上昇 |
| 鶏肉 | 約15〜25%上昇 |
| 牛肉 | 約20〜35%上昇 |
| 野菜(平均) | 約10〜20%上昇 |
| 乳製品 | 約15〜25%上昇 |
この状況で値上げせずに営業を続けると、利益率はさらに悪化します。
値上げしないリスクの方が大きい
値上げを避け続けると、以下のような悪循環に陥ります。
- 利益が減り、スタッフの人件費を削らざるを得なくなる
- サービス品質が低下し、結局お客様が離れる
- 食材のグレードを下げざるを得ず、味が落ちる
- 設備投資ができず、店舗の老朽化が進む
値上げしない方が長期的には客離れを招くのです。帝国データバンクの調査では、2025年に倒産した飲食店の約3割が「原価高騰を価格転嫁できなかった」ことを要因に挙げています。
飲食店の値上げで客離れが起きる3つの原因

値上げ自体が悪いのではなく、やり方が悪いと客離れが起きます。
原因1:一度に大幅な値上げをしている
最も多い失敗パターンが、一度に10〜20%以上の値上げを行うケースです。お客様の心理として「前回より300円も高い」という印象は大きく残ります。
日本政策金融公庫の調査では、消費者が「許容できる値上げ幅」は1品あたり50〜100円程度とされています。それを超えると「高くなった」と感じて足が遠のくのです。
原因2:値上げの理由を説明していない
黙って値上げをすると、お客様は「利益を取りに来ている」と感じます。一方で、理由を正直に伝えると理解を示す人が大半です。
ある調査では、値上げ理由の説明があった場合、約78%の消費者が「仕方がない」と受け入れるという結果が出ています。説明がない場合、その割合は約45%まで下がります。
原因3:値上げだけで付加価値が変わっていない
価格だけが上がって、料理やサービスが全く同じだと不満が生まれます。「前と同じなのに高くなった」という感覚が客離れにつながるのです。
逆に、値上げと同時に何かしらの改善があれば、お客様は納得しやすくなります。
客離れを防ぐ正しい値上げの方法7選

ここからは、客離れを最小限に抑える具体的な値上げ手法を紹介します。
方法1:段階的に値上げする
一度に大きく上げるのではなく、2〜3回に分けて段階的に値上げしましょう。
具体的なスケジュール例は以下のとおりです。
- 1回目(4月):全メニュー50円値上げ
- 2回目(7月):原価率の高いメニューをさらに50円値上げ
- 3回目(10月):必要に応じて追加調整
3ヶ月ごとに50円ずつ上げれば、半年で100円の値上げが実現します。お客様も徐々に慣れるため、客離れが起きにくいのが特徴です。
方法2:メニューリニューアルと同時に行う
値上げの最も効果的なタイミングは、メニュー全体のリニューアル時です。
新メニューには「前の価格」という比較対象がありません。そのため、適正価格を設定しやすくなります。季節の変わり目にメニューを一新し、その中で価格帯を調整する方法は多くの飲食店が採用しています。
方法3:値上げと同時に付加価値を高める
値上げする際は、何かしらの「プラスアルファ」を加えましょう。
具体的な付加価値の例は以下のとおりです。
- 食材を国産やブランド品に変更する
- 盛り付けを改善して見栄えを良くする
- 器をワンランク上のものに変える
- 小鉢やミニサラダをサービスで付ける
- 調理法を手間のかかる方法に変更する
100円の値上げでも、50円分の価値向上を加えれば、お客様の満足度は維持できます。
方法4:全メニューを一律に上げない
値上げは「メリハリ」が大切です。全メニュー一律の値上げは避けましょう。
効果的な値上げの配分例は以下のとおりです。
- 看板メニュー:据え置き、または最小限の値上げ(来店動機を守る)
- 原価率の高いメニュー:しっかり値上げ(50〜150円)
- ドリンク類:30〜50円の小幅値上げ(原価率が低く利益が出やすい)
- 新メニュー:最初から適正価格で設定
看板メニューの価格を守ることで、「あのお店は良心的だ」という印象を維持できます。
方法5:値上げの告知を丁寧に行う
値上げの成否を分ける最大のポイントが「告知の仕方」です。
告知のタイミングと方法は以下を参考にしてください。
- 値上げの2〜4週間前に店内掲示・SNSで事前告知する
- 理由を正直に伝える(「原材料費の高騰により」など)
- 感謝の気持ちを添える(「いつもご愛顧いただきありがとうございます」)
- 前向きな表現を使う(「より良い食材でお届けするため」)
告知文の例は以下のとおりです。
いつもご来店いただき、誠にありがとうございます。昨今の原材料費高騰に伴い、4月1日より一部メニューの価格を改定させていただきます。今後もより良い食材と丁寧な調理で、皆様にご満足いただける料理をお届けしてまいります。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
方法6:値上げ後すぐにリピーター施策を実施する
値上げ直後の1〜2ヶ月は、お客様の心理的なハードルが高い時期です。この期間にリピーター施策を強化しましょう。
効果的な施策は以下のとおりです。
- 次回使える100円引きクーポンを配布する
- LINE公式アカウントで限定特典を配信する
- スタンプカードのポイント付与率を一時的に上げる
- 常連客に「いつもありがとうございます」と声をかける
「値上げしたけど、お客様を大切にしている」というメッセージを行動で示すことが重要です。
方法7:値上げ後の口コミ対策を強化する
値上げ後は、Google口コミへの悪い評価が増えるリスクがあります。事前に口コミ対策を強化しておくことが大切です。
具体的な対策は以下のとおりです。
- 満足度の高い常連客に口コミ投稿をお願いする
- 全ての口コミに丁寧に返信する
- Googleビジネスプロフィールの情報を最新に保つ
- 値上げの理由をGBPの投稿機能でも発信する
良い口コミが多い状態を作っておけば、値上げ後に1〜2件の厳しい口コミが入っても影響は限定的です。
飲食店の値上げ成功事例3選

実際に値上げを成功させた飲食店の事例を紹介します。
事例1:居酒屋A店(東京都・席数40席)
居酒屋A店は、原材料費の高騰により全メニューの平均価格を約8%引き上げました。
実施した施策は以下のとおりです。
- 値上げの3週間前にSNSと店内ポスターで告知
- 人気メニュー5品は価格据え置き
- 新鮮な地場野菜を使った新メニューを3品追加
- 値上げ後1ヶ月間、LINE登録で1品サービスキャンペーンを実施
結果: 値上げ後の1ヶ月間で客数は約5%減少しましたが、客単価が12%上昇。売上は前年同月比で約7%増加しました。3ヶ月後には客数も元の水準に回復しています。
事例2:ラーメン店B店(大阪府・席数15席)
ラーメン店B店は、看板メニューのラーメンを50円値上げしました。
実施した施策は以下のとおりです。
- チャーシューを国産豚に変更し、品質向上を明示
- 店内に手書きPOPで「より美味しくなりました」と告知
- Googleビジネスプロフィールに新チャーシューの写真を投稿
- 常連客に口コミ投稿を依頼
結果: 値上げ後も客数はほぼ変わらず、月間売上が約7万円アップ。さらにGoogle口コミに「チャーシューが美味しくなった」という好意的なレビューが増え、新規客の獲得にもつながりました。
事例3:カフェC店(福岡県・席数25席)
カフェC店は、ドリンク全品を30〜50円値上げしました。
実施した施策は以下のとおりです。
- コーヒー豆をスペシャルティコーヒーに変更
- 値上げと同時にテイクアウトカップのデザインを一新
- SNSで「こだわりの豆に変わりました」と情報発信
- 月替わりの限定ドリンクを新設
結果: 値上げ直後の来店数は横ばい。スペシャルティコーヒーへの変更がSNSで話題になり、新規客が約15%増加しました。客単価は約10%上昇し、月間売上は前年比で約20%増加しています。
値上げと同時に取り組むべき集客強化策

値上げだけで終わらせず、集客力も同時に高めましょう。
Google口コミ・MEO対策で新規集客を強化する
値上げ後に既存客が一時的に減少しても、新規客を獲得できれば売上は維持できます。
Googleマップで上位表示されるためのポイントは以下のとおりです。
- Googleビジネスプロフィールの情報を100%埋める
- 口コミの数を増やす(目安:月5件以上の新規口コミ)
- 全ての口コミに24時間以内に返信する
- 週1回以上、GBPの投稿機能で情報を発信する
- 料理の写真を定期的にアップロードする
MEO対策は広告費がかからず、継続的に新規客を呼び込める施策です。
SNS発信で値上げ後のブランド価値を高める
SNSを活用して、値上げ後の「価値の向上」を発信しましょう。
効果的な発信内容は以下のとおりです。
- 新しい食材のこだわりポイントを紹介する
- 調理過程の動画で手間をかけていることを伝える
- お客様の喜びの声(口コミ)をシェアする
- スタッフの紹介や想いを発信する
値上げの裏にある「努力」や「こだわり」が伝われば、お客様は価格に納得します。
まとめ:正しい値上げは客離れではなく信頼につながる

飲食店の値上げで客離れを防ぐ方法について、改めて要点を整理します。
- 原材料費率は37.5%に達し、値上げしないリスクの方が大きい
- 段階的に50〜100円ずつ値上げし、お客様の心理的負担を減らす
- メニューリニューアルのタイミングに合わせると自然に値上げできる
- 値上げと同時に食材や盛り付けの付加価値を高める
- 看板メニューは据え置きにして、メリハリをつける
- 値上げの2〜4週間前に理由を添えて丁寧に告知する
- 値上げ直後はリピーター施策と口コミ対策を強化する
正しい手順で値上げすれば、お客様との信頼関係はむしろ強くなります。「この価格でも来たい」と思ってもらえる店づくりを目指しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 飲食店の値上げ幅はどれくらいが適切ですか?
A. 1回あたり50〜100円の値上げが適切です。消費者調査では、1品あたり100円以内の値上げであれば約78%の人が許容範囲と回答しています。大幅な値上げが必要な場合は、2〜3回に分けて段階的に行うのがおすすめです。
Q. 値上げの告知はいつ、どのように行えばいいですか?
A. 値上げの2〜4週間前に、店内掲示とSNSの両方で告知しましょう。告知文には「原材料費高騰」などの理由を正直に記載し、感謝の気持ちと品質向上への意気込みを添えます。Googleビジネスプロフィールの投稿機能も活用すると効果的です。
Q. 値上げ後に口コミで低評価がついた場合はどう対処すべきですか?
A. まず、低評価の口コミにも丁寧に返信することが大切です。値上げの理由と品質向上の取り組みを説明し、今後も満足していただけるよう努める旨を伝えましょう。同時に、満足度の高いお客様に口コミ投稿をお願いし、全体の評価バランスを保つことが重要です。
Q. 看板メニューも値上げすべきですか?
A. 看板メニューはできるだけ据え置き、または最小限の値上げに留めるのがおすすめです。看板メニューはお客様の来店動機に直結しているため、価格が上がると客離れにつながりやすいです。代わりに、原価率の高いサブメニューやドリンク類で価格を調整しましょう。
Q. 値上げと同時にやるべき集客施策は何ですか?
A. 最も効果的なのはGoogle口コミ・MEO対策の強化です。口コミ数を増やし、Googleマップでの上位表示を実現すれば、値上げ後に既存客が一時的に減っても新規客で補えます。また、LINE公式アカウントでのクーポン配布やSNSでの価値訴求も有効な施策です。


