飲食店の閉店手続き完全ガイド|届出一覧と流れ

飲食店の閉店手続き完全ガイド|届出一覧と流れ

飲食店の閉店は、オーナーにとって人生で最も辛い決断のひとつです。しかし、閉店は「終わり」ではなく「次のステージへ進むためのステップ」です。

正しい手順で閉店手続きを進めれば、余計なトラブルや出費を防ぎ、次の挑戦に向けた資金や時間を確保できます。逆に、届出の漏れや手続きの遅れがあると、行政からのペナルティや取引先とのトラブルにつながりかねません。

この記事では、飲食店の閉店に必要な手続き・届出を時系列に沿って網羅的に解説します。閉店を検討している方も、まだ迷っている方も、まずは全体像を把握するところから始めましょう。

この記事を書いた人

自己紹介
元アフィリエイター。SEOアフィリエイトを武器に「お金借りる」「育毛剤 おすすめ」「わきが対策」などあらゆるBigキーワードにてSEO1位を獲得。2015年に起業後1年で年商1億円を突破。その後、飲食店のマーケティングにも携わり、Googleクチコミを1店舗で1万件を獲得。Webマーケティングの知識とGoogleクチコミの獲得ノウハウを元に、売上UPを目指す飲食店オーナーの方に広く伝えている。日本の素晴らしい食文化を世界の人にもっと知ってもらうこと、日本の外食産業で働く方の年収を1,000万円以上にするという目標を掲げて仕事に勤しんでる。
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  1. 閉店を決める前に確認すべき3つのこと
  2. 閉店手続きの全体スケジュール|3ヶ月前から閉店後まで
  3. 閉店時に必要な届出一覧|提出先・期限・必要書類
  4. 従業員への対応|解雇予告と退職手続きの進め方
  5. 取引先・仕入先への連絡と債務整理
  6. 原状回復・退去手続きと閉店費用の目安
  7. 居抜き売却という選択肢|閉店コストを大幅に削減する方法
  8. まとめ:閉店手続きを正しく進めて次のステップへ
  9. よくある質問(FAQ)
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閉店を決める前に確認すべき3つのこと

閉店を決める前に確認すべき3つのこと

閉店を決断する前に、本当に閉店が最善の選択なのかを冷静に見極めることが大切です。感情的になって判断を急ぐと、後悔につながることがあります。

経営数値を客観的に分析する

「なんとなく厳しい」という感覚ではなく、数字に基づいて経営状態を判断しましょう。確認すべき指標は以下のとおりです。

指標 健全な目安 危険ライン
FL比率(食材費+人件費) 55〜60% 65%以上
家賃比率 10%以下 15%以上
損益分岐点売上 月商の70〜80% 月商の90%以上
手元資金 月間固定費の3ヶ月分以上 1ヶ月分未満

数値を整理した結果、「赤字だが改善の余地がある」と判断できるケースは少なくありません。たとえば、FL比率が65%でも食材の仕入れ先を見直すだけで5%改善できる場合、閉店を急ぐ必要はないかもしれません。

集客の改善余地がないか再検討する

売上不振が閉店理由の場合、集客面でまだ手を打てることがないか確認してみてください。

  • Googleビジネスプロフィール(GBP)は最適化されているか:写真の掲載、営業時間の正確な登録、口コミへの返信など、基本的な設定が不十分なまま集客に悩んでいるケースは非常に多いです
  • 口コミの獲得施策は実施しているか:口コミ数が少ない、または低評価が目立つ場合、口コミ改善だけで来店数が変わることがあります
  • SNSやMEO対策に取り組んでいるか:費用をかけずにできる施策をすべて試したうえでの判断かどうかを振り返りましょう

「やれることはすべてやった」と言い切れるかどうかが、後悔しない閉店判断の分かれ目です。

閉店以外の選択肢を検討する

閉店以外にも、以下のような選択肢があります。

  • 業態転換:ランチ営業への切り替え、デリバリー・テイクアウト専門への転換など
  • 事業譲渡(M&A):店舗をそのまま第三者に売却する方法。居抜きでの売却なら原状回復費用もかかりません
  • 経営改善計画の策定:商工会議所や中小企業診断士に無料相談し、専門家の視点で改善策を探る
  • 融資のリスケジュール:金融機関に返済条件の変更を相談する

これらを検討したうえで「やはり閉店が最善」と判断したなら、迷わず次のステップに進みましょう。

閉店手続きの全体スケジュール|3ヶ月前から閉店後まで

閉店手続きの全体スケジュール|3ヶ月前から閉店後まで

閉店を決めたら、計画的にスケジュールを組んで進めることが重要です。慌てて進めるとミスや漏れが生じます。

3ヶ月前〜2ヶ月前にやること

閉店を決意したら、まずは以下の事項に着手します。

【3ヶ月前】

  • 閉店日を決定する(賃貸借契約の解約予告期間を確認。通常3〜6ヶ月前)
  • 物件オーナー(大家)に閉店の意思を伝え、解約予告を行う
  • 顧問税理士・会計士に閉店の相談をする
  • 従業員への告知時期を決める(解雇予告は30日前まで)
  • 居抜き売却の可能性を検討・不動産会社に相談する

【2ヶ月前】

  • 取引先・仕入先に閉店の連絡をする(買掛金の精算スケジュールを確認)
  • 従業員に閉店を告知し、解雇予告を行う
  • リース契約の解約手続きを開始する
  • 在庫の削減計画を立てる(食材の仕入れを段階的に減らす)
  • 常連客への告知方法を決める

1ヶ月前〜閉店日にやること

【1ヶ月前】

  • 各種届出の準備(書類の収集・記入)
  • 予約の受付を停止する
  • ポイントカード・回数券の精算方法を決定・告知する
  • 店舗の備品・什器の処分方法を決める(売却・廃棄)
  • 原状回復工事の見積もりを取る(居抜き売却しない場合)

【閉店日】

  • 最終営業を行う
  • レジ締め・売上の最終確認
  • 店舗の鍵の管理を確認

閉店後にやること

閉店後も手続きは続きます。以下を漏れなく進めてください。

  • 各行政機関への届出(次章で詳しく解説)
  • 原状回復工事の実施と物件の引き渡し
  • 従業員の退職手続き(離職票の発行、社会保険の資格喪失届など)
  • 買掛金・未払金の精算
  • 確定申告(個人事業主の場合は廃業届とともに)
  • 法人の場合は解散・清算の手続き

閉店時に必要な届出一覧|提出先・期限・必要書類

閉店時に必要な届出一覧|提出先・期限・必要書類

飲食店の閉店では、複数の行政機関に届出を提出する必要があります。届出の漏れはペナルティにつながることがあるため、チェックリストとして活用してください。

保健所・消防署・警察署への届出

届出先 届出書類 提出期限 備考
保健所 廃業届(飲食店営業許可の取消し) 閉店後10日以内 営業許可証の返納が必要
保健所 食品衛生責任者の届出変更 廃業届と同時
消防署 防火管理者解任届 閉店後速やかに 防火管理者を選任していた場合
消防署 防火対象物使用停止届 閉店後速やかに 届出様式は管轄消防署に確認
警察署 深夜酒類提供飲食店営業の届出変更 閉店後10日以内 深夜営業届を出していた場合

保健所への廃業届は最も基本的な届出です。届出を怠ると、翌年度以降も許可更新の案内が届き続けるなどの不都合が生じます。

税務署・都道府県税事務所への届出

個人事業主の場合:

届出先 届出書類 提出期限
税務署 個人事業の開業・廃業等届出書 廃業日から1ヶ月以内
税務署 所得税の青色申告の取りやめ届出書 翌年3月15日まで(青色申告者のみ)
税務署 事業廃止届出書(消費税) 速やかに(課税事業者のみ)
税務署 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 廃業日から1ヶ月以内(従業員がいた場合)
都道府県税事務所 事業開始(廃止)等申告書 都道府県により異なる(概ね10日〜1ヶ月以内)

法人の場合:

届出先 届出書類 提出期限
税務署 異動届出書(解散の届出) 解散後速やかに
税務署 確定申告書(解散事業年度分) 解散日の翌日から2ヶ月以内
都道府県税事務所 法人の異動届出書 都道府県により異なる
法務局 解散登記・清算人選任登記 解散日から2週間以内

届出を怠ると、廃業後も税務署から申告の督促が届くことがあります。特に消費税の届出は忘れがちなので注意してください。

社会保険・労働保険関連の届出

従業員を雇用していた場合は、以下の届出も必要です。

届出先 届出書類 提出期限
年金事務所 健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届 事実発生から5日以内
年金事務所 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届 退職日の翌日から5日以内
ハローワーク 雇用保険適用事業所廃止届 廃止日の翌日から10日以内
ハローワーク 雇用保険被保険者資格喪失届・離職証明書 退職日の翌日から10日以内
労働基準監督署 労働保険確定保険料申告書 廃業日から50日以内

特にハローワークへの届出は、従業員が失業給付を受けるために不可欠です。離職票の発行が遅れると従業員に迷惑をかけるため、優先的に対応しましょう。

従業員への対応|解雇予告と退職手続きの進め方

従業員への対応|解雇予告と退職手続きの進め方

従業員への対応は、閉店手続きのなかでも特に慎重さが求められる部分です。法律上の義務を守りつつ、誠実に対応することが大切です。

解雇予告のルールと手順

労働基準法第20条により、従業員を解雇する場合は少なくとも30日前までに予告しなければなりません。30日前までに予告しない場合は、不足日数分の「解雇予告手当」を支払う必要があります。

【解雇予告手当の計算例】

解雇日の20日前に予告した場合:

  • 不足日数=30日−20日=10日分
  • 解雇予告手当=直近3ヶ月の平均賃金の日額 × 10日分
  • 月給25万円の従業員の場合:約8,300円(日額)× 10日=約83,000円

閉店による解雇は「会社都合」となるため、従業員は失業給付を早期に受けられます(自己都合退職のような給付制限期間がない)。この点を従業員にしっかり説明することで、不安を和らげることができます。

退職手続きと離職票の発行

従業員が退職する際に必要な手続きは以下のとおりです。

【事業主側の対応】

  • 離職証明書をハローワークに提出し、離職票を発行してもらう
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)の資格喪失届を年金事務所に提出する
  • 源泉徴収票を発行する(退職後1ヶ月以内)
  • 退職金がある場合は退職所得の受給に関する申告書を受け取る
  • 住民税の特別徴収の異動届を市区町村に提出する

【従業員に返却するもの】

  • 年金手帳(預かっている場合)
  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票(ハローワークから届き次第)
  • 源泉徴収票

従業員への対応は、閉店の事情を正直に伝え、再就職支援(ハローワークの紹介、推薦状の作成など)を申し出ると円満に進みやすくなります。

取引先・仕入先への連絡と債務整理

取引先・仕入先への連絡と債務整理

取引先や仕入先への対応も、信用を守るために重要なステップです。飲食業界は横のつながりが強いため、不義理な対応は将来のビジネスに響きます。

連絡のタイミングと伝え方

取引先への連絡は、閉店の2ヶ月前を目安に行いましょう。以下の優先順位で連絡するのがスムーズです。

【連絡の優先順位】

  1. 食材の仕入先:仕入れの停止スケジュールを伝える。発注ロットの調整を依頼する
  2. 酒類の卸業者:在庫の返品可否を確認する
  3. リース会社:リース契約の解約手続きと残債の確認
  4. おしぼり・清掃等の定期契約先:解約予告期間を確認し、期限内に解約通知を出す
  5. クレジットカード決済会社・POSレジ会社:解約手続きと端末の返却
  6. 予約サイト・グルメサイト:掲載の停止・退会手続き

連絡の際は「閉店の事実」「最終発注日」「未払いの精算方法と期日」を明確に伝えましょう。

買掛金・未払金の精算方法

閉店時に未払いの買掛金がある場合は、以下の手順で精算を進めます。

  • すべての取引先への買掛金残高を一覧にまとめる
  • 各取引先と精算スケジュールを合意する(一括払いが難しい場合は分割の相談)
  • 精算完了後、取引先から「精算完了」の書面またはメールを受け取る

資金が不足して精算が難しい場合は、弁護士や認定支援機関に相談のうえ、債務整理の方法を検討しましょう。誠実な姿勢で交渉することが、トラブルを最小限に抑える鍵です。

原状回復・退去手続きと閉店費用の目安

原状回復・退去手続きと閉店費用の目安

物件の退去と閉店費用は、事前に全体像を把握しておかないと想定外の出費に苦しむことになります。契約内容の確認と資金計画を早めに進めましょう。

原状回復の範囲と費用の目安

原状回復とは、退去時に物件を入居前の状態(通常はスケルトン状態)に戻すことです。飲食店の場合、以下の作業が必要になります。

作業内容 費用目安(坪単価) 20坪の場合
内装解体・撤去 3〜5万円/坪 60〜100万円
厨房設備の撤去 一式20〜50万円 20〜50万円
電気・ガス・給排水の撤去 一式10〜30万円 10〜30万円
廃棄物処理 一式10〜30万円 10〜30万円
合計 100〜210万円

原状回復費用は物件の状態や契約条件によって大きく異なります。必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討してください。

退去までのスケジュールと注意点

退去に関する注意点は以下のとおりです。

  • 解約予告期間を厳守する:賃貸借契約で定められた解約予告期間(通常3〜6ヶ月前)を守らないと、予告期間分の家賃を請求されます
  • 保証金(敷金)の返還条件を確認する:原状回復費用は保証金から差し引かれるのが一般的です。保証金で足りない場合は追加請求されます
  • 退去日の立ち会いを行う:物件オーナーまたは管理会社と退去日に立ち会い、原状回復の状態を確認してもらいます。写真記録を残しておくとトラブル防止になります
  • ライフラインの停止手続き:電気・ガス・水道・インターネットの解約手続きを忘れずに行いましょう

閉店にかかる費用の全体像

飲食店の閉店にかかる主な費用を一覧にまとめました(20坪・従業員5名の場合の目安)。

費用項目 金額の目安
原状回復工事費 100〜210万円
解約予告期間中の家賃(3ヶ月分) 90〜150万円
従業員の解雇予告手当 40〜80万円
リース残債の精算 50〜200万円
買掛金・未払金の精算 30〜100万円
備品・什器の廃棄費用 10〜30万円
専門家費用(税理士・弁護士) 10〜30万円
合計 330〜800万円

閉店費用がこれだけかかると知って驚く方も多いでしょう。特に原状回復工事費とリース残債は高額になりやすいため、早めに見積もりを取っておくことが大切です。

閉店費用を抑える3つの方法

閉店費用を少しでも抑えるために、以下の方法を検討してください。

1. 居抜き売却で原状回復費用をゼロにする
内装・設備を次のテナントにそのまま引き渡す「居抜き売却」ができれば、原状回復費用がかからないだけでなく、造作譲渡料として収入を得られる場合もあります。

2. 厨房機器・備品の買取サービスを利用する
業務用厨房機器の買取専門業者に査定を依頼しましょう。冷蔵庫、製氷機、食器洗浄機などは中古需要が高く、状態が良ければまとまった金額で売却できます。

3. 閉店セールで在庫を現金化する
食材やドリンクの在庫は、閉店セールで通常より割引して販売し、できるだけ現金化しましょう。廃棄するよりもはるかに経済的です。

居抜き売却という選択肢|閉店コストを大幅に削減する方法

居抜き売却という選択肢|閉店コストを大幅に削減する方法

居抜き売却は、閉店時の費用負担を大きく軽減できるだけでなく、収入につながる可能性もある有力な選択肢です。

居抜き売却のメリットと流れ

居抜き売却とは、店舗の内装・設備・什器を次のテナントにそのまま引き渡す方法です。主なメリットは以下のとおりです。

  • 原状回復費用が不要になる:100〜200万円以上の節約になるケースが多い
  • 造作譲渡料を得られる可能性がある:設備の状態や立地によって数十万〜数百万円の収入に
  • 退去までの期間を短縮できる:原状回復工事が不要なため、物件の引き渡しがスムーズ

居抜き売却の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 居抜き物件専門の仲介会社に相談する
  2. 店舗の査定を受ける(設備の状態、立地、残りの賃貸借期間などが評価対象)
  3. 仲介会社が買い手(次のテナント)を探す
  4. 買い手が見つかったら、造作譲渡契約を締結する
  5. 物件オーナーの承諾を得て、賃貸借契約の名義変更を行う
  6. 造作の引き渡しを行う

居抜き売却を成功させるポイント

居抜き売却を有利に進めるためのポイントは以下のとおりです。

  • 早めに動く:閉店を決めたらすぐに仲介会社に相談する。解約予告期間内に買い手が見つからないと居抜き売却は成立しません
  • 設備を良い状態で維持する:営業終了後も厨房機器の清掃・メンテナンスを怠らないこと。設備の状態が査定額に直結します
  • 物件オーナーの同意を事前に得る:居抜き売却には物件オーナーの承諾が必要です。閉店の連絡時に居抜きでの退去が可能か確認しておきましょう
  • 相場を把握する:同エリア・同業態の居抜き物件の相場を調べ、適正な価格設定をする

居抜き売却が成立すれば、閉店にかかる費用を大幅に圧縮でき、次のステップへの資金を残すことができます。

まとめ:閉店手続きを正しく進めて次のステップへ

まとめ:閉店手続きを正しく進めて次のステップへ

飲食店の閉店手続きについて、要点を整理します。

  • 閉店を決める前に、経営数値の客観的分析・集客改善の余地・閉店以外の選択肢を必ず確認する
  • 閉店スケジュールは3ヶ月前から計画的に進め、届出の漏れがないようチェックリストを活用する
  • 保健所・税務署・年金事務所・ハローワークなど、届出先は多岐にわたるため一覧で管理する
  • 従業員への解雇予告は30日前まで。離職票の発行など退職手続きは速やかに行う
  • 取引先には2ヶ月前を目安に連絡し、買掛金の精算スケジュールを明確にする
  • 閉店費用は20坪の店舗で330〜800万円が目安。居抜き売却を活用すれば大幅に削減可能
  • 居抜き売却は早めに仲介会社に相談し、設備の良い状態を維持することが成功の鍵

閉店は決して恥ずかしいことではありません。正しい手続きを踏んで円満に店を閉じることは、次の挑戦への第一歩です。この記事が、あなたの新たなスタートの助けになれば幸いです。

よくある質問(FAQ)

Q. 飲食店の閉店手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 閉店を決意してから全ての手続きが完了するまで、通常3〜6ヶ月程度かかります。賃貸借契約の解約予告期間が3〜6ヶ月前に設定されていることが多く、これが全体スケジュールの基準になります。届出自体は閉店後10日〜1ヶ月以内に行うものがほとんどですが、原状回復工事や従業員の退職手続きも含めると、余裕を持って3ヶ月前から準備を始めるのが理想です。

Q. 閉店時に必ず届出が必要な行政機関はどこですか?

A. 最低限必要な届出先は、保健所(廃業届・営業許可証の返納)、税務署(廃業届・給与支払事務所廃止届)、都道府県税事務所(事業廃止申告書)です。従業員を雇用していた場合は、年金事務所(社会保険の資格喪失届)、ハローワーク(雇用保険の資格喪失届・離職証明書)、労働基準監督署(労働保険確定保険料申告書)への届出も必要になります。

Q. 飲食店の閉店費用はいくらぐらいかかりますか?

A. 20坪・従業員5名の飲食店の場合、閉店費用の目安は330〜800万円です。内訳は原状回復工事費100〜210万円、解約予告期間中の家賃90〜150万円、解雇予告手当40〜80万円、リース残債精算50〜200万円などです。ただし、居抜き売却が成立すれば原状回復費用がゼロになり、造作譲渡料として収入を得られるケースもあります。

Q. 従業員を解雇する場合、いつまでに予告が必要ですか?

A. 労働基準法第20条により、少なくとも解雇日の30日前までに予告する必要があります。30日前までに予告できない場合は、不足日数分の解雇予告手当(平均賃金の日額×不足日数分)を支払う義務があります。閉店による解雇は会社都合となるため、従業員は失業給付を待機期間なしで受けられる点も伝えましょう。

Q. 居抜き売却とは何ですか?どうすれば利用できますか?

A. 居抜き売却とは、店舗の内装・設備・什器を次のテナントにそのまま引き渡す方法です。原状回復費用が不要になるだけでなく、造作譲渡料として数十万〜数百万円の収入を得られる場合もあります。利用するには居抜き物件専門の仲介会社に相談し、店舗の査定を受けたうえで買い手を探してもらいます。物件オーナーの承諾が必要なため、閉店を決めたら早めに相談を始めることが重要です。