「設備を入れ替えたいけど資金が足りない」「人手不足で採用費がかさんでいる」。そんな悩みを抱える飲食店オーナーにとって、補助金・助成金は経営を大きく前進させる資金調達手段です。
しかし、「種類が多すぎてどれが使えるかわからない」「申請が面倒そう」という声も多く、実際に活用している飲食店はまだ少数派です。実は飲食店が申請できる補助金・助成金は数多くあり、正しく申請すれば数十万円から数百万円の支援を受けられます。
この記事では、2026年度に飲食店が活用できる補助金・助成金の全体像から、各制度の概要・上限額・申請要件、採択率を上げるコツまで徹底解説します。
自己紹介
元アフィリエイター。SEOアフィリエイトを武器に「お金借りる」「育毛剤 おすすめ」「わきが対策」などあらゆるBigキーワードにてSEO1位を獲得。2015年に起業後1年で年商1億円を突破。その後、飲食店のマーケティングにも携わり、Googleクチコミを1店舗で1万件を獲得。Webマーケティングの知識とGoogleクチコミの獲得ノウハウを元に、売上UPを目指す飲食店オーナーの方に広く伝えている。日本の素晴らしい食文化を世界の人にもっと知ってもらうこと、日本の外食産業で働く方の年収を1,000万円以上にするという目標を掲げて仕事に勤しんでる。
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株式会社WEBRIES 代表取締役
小宮 康利
補助金と助成金の違い|飲食店オーナーが知るべき基本

補助金と助成金は混同されがちですが、仕組みが大きく異なります。申請前に違いを正しく理解しておきましょう。
補助金の特徴|審査があり採択率は100%ではない
補助金は、主に経済産業省や中小企業庁が管轄する支援制度です。特徴は以下のとおりです。
- 審査制:事業計画書を提出し、審査を通過した事業者のみが受給できる
- 採択率:制度や公募回によって異なるが、40〜60%程度が一般的
- 後払い:先に自己資金で経費を支払い、事業完了後に補助金が交付される
- 使途制限:申請時に申告した経費のみに使用可能
- 公募期間:年に数回の公募があり、期間内に申請する必要がある
代表的な補助金には小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金などがあります。
助成金の特徴|要件を満たせば原則受給できる
助成金は、主に厚生労働省が管轄する支援制度です。特徴は以下のとおりです。
- 要件審査:定められた要件を満たせば、原則として受給できる
- 受給率:要件さえ満たせばほぼ100%
- 随時受付:多くの助成金は通年で申請を受け付けている
- 雇用関連が中心:従業員の雇用維持・能力開発・処遇改善に関するものが多い
- 後払い:補助金と同様、支出後に助成金が支給される
代表的な助成金にはキャリアアップ助成金、雇用調整助成金、業務改善助成金などがあります。
補助金と助成金の比較表
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 管轄 | 経済産業省・中小企業庁 | 厚生労働省 |
| 審査 | 事業計画書の審査あり | 要件審査(形式審査中心) |
| 採択率 | 40〜60%程度 | 要件を満たせばほぼ100% |
| 申請時期 | 公募期間内のみ | 通年受付が多い |
| 主な対象 | 設備投資・販路開拓・IT化 | 雇用・人材育成・処遇改善 |
| 支給タイミング | 事業完了後(後払い) | 取組完了後(後払い) |
飲食店の場合、設備投資や販路開拓には補助金、スタッフの雇用や教育には助成金と、目的に合わせて使い分けるのがポイントです。
飲食店が使える主要補助金一覧【2026年度版】

2026年度に飲食店が申請できる主要な補助金を、概要・上限額・申請要件・採択率とともに解説します。
小規模事業者持続化補助金
飲食店にとって最も身近で使いやすい補助金です。販路開拓や業務効率化を目的とした取り組みに対して支援を受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 常時使用する従業員が5人以下の小規模事業者(飲食業は商業・サービス業に該当) |
| 補助率 | 経費の2/3 |
| 補助上限額 | 通常枠50万円、特別枠(賃金引上げ枠・創業枠等)200万円 |
| 対象経費 | 広告費、ウェブサイト関連費、機械装置費、展示会出展費、開発費など |
| 採択率 | 約50〜65%(公募回による) |
飲食店での活用例:
- ホームページの新規作成・リニューアル
- チラシ・パンフレットの作成と配布
- テイクアウト用の包装資材や容器の購入
- 店舗看板の設置・改修
- 新メニュー開発に必要な設備購入
従業員5人以下という条件があるため、個人経営や小規模な飲食店に特に適しています。
IT導入補助金
ITツールの導入を支援する補助金で、飲食店のデジタル化を後押しします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者(飲食業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下) |
| 補助率 | 1/2〜3/4(枠による) |
| 補助上限額 | 通常枠(A類型)150万円未満、通常枠(B類型)150万円〜450万円以下 |
| 対象経費 | IT導入支援事業者が提供するITツール(ソフトウェア・クラウド利用料・導入関連費等) |
| 採択率 | 約60〜80%(比較的高い) |
飲食店での活用例:
- POSレジシステムの導入
- 予約管理・顧客管理システム
- セルフオーダーシステム
- 会計ソフト・勤怠管理システム
- ECサイト構築(テイクアウト・デリバリー対応)
IT導入補助金は採択率が比較的高く、飲食店のDX化に直結するため、積極的に活用したい補助金です。
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
設備投資を伴う生産性向上の取り組みを支援する補助金です。飲食店でも利用可能ですが、審査のハードルはやや高めです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
| 補助率 | 1/2〜2/3(類型による) |
| 補助上限額 | 750万円〜1,250万円(類型による) |
| 対象経費 | 機械装置費、技術導入費、専門家経費、クラウドサービス利用費など |
| 採択率 | 約40〜50% |
飲食店での活用例:
- 厨房設備の大規模入替え(高性能オーブン、急速冷凍機など)
- セントラルキッチンの構築
- 新たな製造工程の導入(真空調理システムなど)
- 自動配膳ロボットの導入
補助上限額が大きい分、革新的な取り組みが求められます。単なる設備の入替えではなく、「生産性向上」や「付加価値の創出」を事業計画に盛り込む必要があります。
事業再構築補助金
新たな事業展開や業態転換を支援する補助金です。コロナ禍をきっかけに始まりましたが、2026年度も継続が見込まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業・中堅企業 |
| 補助率 | 1/2〜2/3(類型による) |
| 補助上限額 | 最大1,500万円〜1億円(企業規模・類型による) |
| 対象経費 | 建物費、機械装置費、広告宣伝費、研修費など |
| 採択率 | 約35〜50% |
飲食店での活用例:
- イートインからテイクアウト・デリバリー業態への転換
- 新業態の店舗開設
- ECサイトを通じた食品販売事業への進出
- ゴーストキッチンの開設
補助上限額が非常に大きいですが、その分審査も厳しく、認定支援機関との連携が必須です。大規模な業態転換や新事業展開を計画している飲食店に適しています。
飲食店が使える主要助成金一覧【2026年度版】

飲食店が活用しやすい助成金を、要件を満たせば原則受給できるものを中心に紹介します。
キャリアアップ助成金
非正規雇用のスタッフの待遇改善を支援する助成金で、飲食店にとって最も活用しやすい制度の一つです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用保険適用事業所の事業主 |
| 主なコース | 正社員化コース、賃金規定等改定コース、社会保険適用時処遇改善コース |
| 助成額(正社員化コース) | 有期→正規:1人あたり80万円(中小企業)、有期→無期:1人あたり40万円 |
| 申請要件 | キャリアアップ計画の事前提出、6ヶ月以上の雇用実績など |
飲食店での活用例:
- 長期勤務のアルバイトを正社員に登用する際に正社員化コースを申請
- パートスタッフの時給を3%以上引き上げた際に賃金規定等改定コースを申請
飲食店はアルバイトやパートスタッフが多いため、正社員化コースの活用余地が大きい制度です。1人あたり80万円の助成は経営に大きなインパクトがあります。
雇用調整助成金
経営悪化により事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を支援する助成金です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 事業活動の縮小を余儀なくされた事業主 |
| 助成率 | 休業手当の2/3(中小企業) |
| 上限額 | 1人1日あたり8,490円(2026年度見込み) |
| 申請要件 | 最近3ヶ月の売上が前年同期比で10%以上減少していること等 |
売上が急激に落ち込んだ際の従業員の雇用維持に役立ちます。閑散期や不測の事態による売上減少時のセーフティネットとして、制度の存在を知っておくことが重要です。
業務改善助成金
事業場内の最低賃金を引き上げるとともに、生産性向上のための設備投資を行う事業者を支援する助成金です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 事業場内最低賃金が1,000円未満の中小企業・小規模事業者 |
| 助成率 | 設備投資等の費用の3/4〜4/5 |
| 上限額 | 30万円〜600万円(引上げ額と引上げ人数による) |
| 申請要件 | 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げること |
飲食店での活用例:
- 最低賃金引上げと同時に食洗機を導入して業務効率化
- 時給アップとセルフオーダー端末の導入を同時に実施
賃金引上げと設備投資をセットで行う必要がありますが、助成率が高い(3/4〜4/5)ため、実質的な自己負担が少ないのが魅力です。
人材開発支援助成金
スタッフの教育訓練にかかる経費と訓練期間中の賃金を助成する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用保険適用事業所の事業主 |
| 主なコース | 人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース |
| 助成額 | 経費の最大75%+賃金助成(1人1時間あたり760円〜960円) |
| 申請要件 | 事業内職業能力開発計画の策定、訓練計画の事前提出 |
飲食店での活用例:
- 調理技術の研修(食品衛生、HACCP対応など)
- 接客マナー研修の実施
- 管理職育成のためのマネジメント研修
スタッフの教育は飲食店の品質向上に直結します。教育にかかるコストを助成金でカバーできれば、積極的な人材投資が可能になります。
補助金申請の手順とスケジュール|初めてでも迷わない

補助金の申請は複雑に見えますが、基本的な流れはどの制度もほぼ共通しています。全体像を把握して、計画的に準備を進めましょう。
補助金申請の基本ステップ(6段階)
補助金申請から受給までの基本的な流れは以下のとおりです。
ステップ1:情報収集と制度選定(申請の2〜3ヶ月前)
自社の課題と目的に合った補助金を選びます。中小企業庁のサイト「ミラサポplus」や各補助金の公式サイトで最新の公募情報を確認しましょう。
ステップ2:GビズIDの取得(申請の1〜2ヶ月前)
多くの補助金はオンライン申請(jGrants)を利用するため、GビズIDプライムアカウントが必要です。取得に2〜3週間かかるため、早めに手続きを始めてください。
ステップ3:事業計画書の作成(申請の1〜2ヶ月前)
事業計画書は補助金の採否を決める最重要書類です。自社の現状分析、課題の明確化、具体的な取り組み内容、期待される効果を論理的にまとめます。
ステップ4:申請書類の提出(公募期間内)
公募要領に従い、事業計画書と必要書類を期限内に提出します。電子申請が主流ですが、書類に不備がないよう入念にチェックしてください。
ステップ5:採択通知・交付決定(申請から1〜3ヶ月後)
審査を経て採択が決定すると通知が届きます。交付決定後に事業を開始します。交付決定前に支出した経費は補助対象外となる点に注意してください。
ステップ6:事業実施・実績報告・補助金交付(事業期間内)
計画に沿って事業を実施し、完了後に実績報告書を提出します。審査を経て補助金が交付されます。
年間スケジュールの目安
主要補助金の2026年度の公募スケジュール目安を把握しておきましょう。
| 補助金 | 公募時期(目安) | 申請から採択まで |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 年4回程度(3月・6月・9月・12月頃) | 約2〜3ヶ月 |
| IT導入補助金 | 年2〜3回程度(4月〜12月の間) | 約1〜2ヶ月 |
| ものづくり補助金 | 通年公募(締切は年数回) | 約2〜3ヶ月 |
| 事業再構築補助金 | 年2〜3回程度 | 約2〜4ヶ月 |
公募期間は変動するため、各補助金の公式サイトを定期的にチェックすることが重要です。GビズIDの取得など、事前に準備できることは早めに済ませておきましょう。
採択率を上げるコツ|事業計画書の書き方

補助金の審査で最も重視されるのが事業計画書です。採択される事業計画書にはいくつかの共通パターンがあります。
審査員に伝わる事業計画書の5つのポイント
1. 現状分析を具体的な数値で示す
「売上が厳しい」ではなく「直近3年間で売上が15%減少し、月商350万円から297万円に低下」のように具体的な数値で現状を示します。審査員は客観的なデータを重視します。
2. 課題と解決策の因果関係を明確にする
「人手不足が課題」→「だからセルフオーダーシステムを導入する」→「ホールスタッフ1名分の人件費を削減し、同時に注文ミスをゼロにする」のように、課題→施策→効果の論理的なつながりを明確にします。
3. 定量的な効果予測を盛り込む
「売上向上が見込まれる」ではなく「客単価を現在の3,200円から3,500円に引き上げ、月間売上を40万円増加させる」のように、具体的な数値目標を掲げます。計算根拠も併記するとさらに説得力が増します。
4. 補助事業の独自性・革新性をアピールする
審査員は多くの申請書を読むため、「うちの店ならではの取り組み」が目に留まります。地域の食材を活かした新メニュー開発、独自の集客方法など、他店にはない要素を盛り込みましょう。
5. 実現可能性を示す具体的なスケジュール
「いつ、何を、どのように実施するか」を月単位のスケジュールで示します。漠然とした計画ではなく、実行力があることを伝えることが大切です。
飲食店でよくある不採択の理由と対策
| 不採択理由 | 具体例 | 対策 |
|---|---|---|
| 課題が不明確 | 「経営が厳しいのでIT化したい」 | 具体的な課題を数値で示す |
| 効果が曖昧 | 「集客力アップが期待できる」 | 定量的な効果予測と根拠を示す |
| 通常の設備更新と区別がつかない | 「老朽化した厨房機器を入れ替える」 | 生産性向上や新たな付加価値の創出を強調する |
| 自社の強みが見えない | 一般的な飲食店の説明に終始 | 地域性・独自性・差別化ポイントを明記する |
| スケジュールが非現実的 | 1ヶ月で大規模改装と新メニュー開発 | 余裕のある現実的なスケジュールを設定する |
認定支援機関の活用方法|専門家の力を借りる

補助金申請を一人で進めるのが難しい場合は、認定支援機関のサポートを受けましょう。特にものづくり補助金や事業再構築補助金は、認定支援機関の確認書が必須です。
認定支援機関とは何か
認定支援機関(正式名称:認定経営革新等支援機関)とは、中小企業の経営相談に対応できる専門知識を持つ機関として、国が認定した支援者です。
主な認定支援機関は以下のとおりです。
- 税理士・税理士法人:顧問税理士が認定支援機関であるケースが多い
- 中小企業診断士:経営戦略や事業計画の策定に強い
- 商工会・商工会議所:地域密着型の支援を無料で受けられる
- 金融機関:融資と組み合わせた資金計画の相談が可能
- 民間コンサルティング会社:補助金申請に特化したサポートを提供
認定支援機関を選ぶ際の3つのチェックポイント
1. 飲食業の支援実績があるか
業界ごとに事業計画のポイントは異なります。飲食店の支援実績が豊富な機関を選ぶことで、より効果的なアドバイスを受けられます。
2. 成功報酬型か固定報酬型か
認定支援機関への報酬体系は主に以下の3パターンです。
| 報酬体系 | 相場 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 成功報酬型 | 採択額の10〜20% | 不採択なら費用がかからない | 高額補助金では報酬が大きくなる |
| 固定報酬型 | 10万〜30万円 | 費用が明確 | 不採択でも費用が発生 |
| 商工会・商工会議所 | 無料 | コスト不要 | 対応に時間がかかる場合がある |
初めて補助金を申請する場合は、商工会・商工会議所の無料相談を活用するか、成功報酬型の専門家に依頼するのがおすすめです。
3. 申請後のフォローがあるか
補助金は採択後の事業実施・実績報告まで含めて初めて完了します。採択後の実績報告や検査対応までサポートしてくれる機関を選びましょう。
よくある失敗パターンと補助金併用の注意点

補助金申請にはいくつかの落とし穴があります。よくある失敗パターンと、複数制度を併用する際の注意点を事前に把握しておきましょう。
申請段階での失敗パターン
失敗1:公募期間を過ぎてから気づく
補助金の公募期間は限られています。「申請しようと思ったら期限が過ぎていた」という声は非常に多いです。主要補助金の公募スケジュールをカレンダーに登録し、少なくとも2ヶ月前から準備を始めましょう。
失敗2:GビズIDの取得が間に合わない
GビズIDプライムの取得には申請から2〜3週間かかります。公募開始後に慌てて申請しても間に合わないことがあります。まだ取得していない方は、今すぐ手続きを始めてください。
失敗3:対象外の経費を計上してしまう
補助金ごとに対象経費が明確に定められています。対象外の経費を含めてしまうと、審査でマイナス評価を受けるだけでなく、採択後に経費が認められないケースもあります。公募要領を熟読し、不明な点は事務局に事前確認しましょう。
採択後の失敗パターン
失敗4:交付決定前に発注・支払いをしてしまう
補助金は交付決定後に実施した経費のみが対象です。採択通知が届いた時点で発注してしまうと、交付決定前の支出として補助対象外になります。必ず「交付決定通知書」を受領してから事業を開始してください。
失敗5:実績報告の書類が不備で補助金が減額される
事業完了後の実績報告では、見積書・発注書・納品書・請求書・領収書・振込明細など、すべての証拠書類が必要です。書類の保管を怠ると、経費として認められず補助金が減額されます。経費が発生するたびに書類を整理・保管する習慣をつけましょう。
失敗6:事業計画と異なる使い方をしてしまう
申請時の事業計画と異なる内容に経費を使うと、補助金の返還を求められる場合があります。計画内容を変更する必要が生じた場合は、必ず事前に事務局へ「計画変更申請」を行ってください。
複数制度の併用パターンと注意点
補助金と助成金は、制度によっては併用が可能です。戦略的に組み合わせることで、自己負担を大幅に減らせます。飲食店で実践しやすい併用パターンは以下のとおりです。
パターン1:IT導入補助金 + キャリアアップ助成金
- IT導入補助金でPOSレジやセルフオーダーシステムを導入(設備投資)
- キャリアアップ助成金で長期アルバイトを正社員に登用(人材投資)
- 合計で数百万円の支援を受けられる可能性あり
パターン2:小規模事業者持続化補助金 + 業務改善助成金
- 持続化補助金でホームページや看板を新設(販路開拓)
- 業務改善助成金でスタッフの賃金引上げと設備導入を同時実施(生産性向上)
パターン3:ものづくり補助金 + 人材開発支援助成金
- ものづくり補助金で新しい厨房設備を導入(設備投資)
- 人材開発支援助成金でスタッフの操作研修を実施(人材育成)
併用する際の注意点として、同一の経費に対して複数の補助金を二重に申請することは禁止されています。補助金同士の併用は制限がある場合が多いため、公募要領を必ず確認してください。一方、補助金と助成金の組み合わせ(管轄省庁が異なる)は比較的併用しやすい傾向にあります。
まとめ:補助金・助成金を味方につけて飲食店経営を強化しよう

飲食店が活用できる補助金・助成金について、改めて要点を整理します。
- 補助金は審査制で採択率40〜60%。事業計画書の質が採否を分ける。助成金は要件を満たせば原則受給可能
- 飲食店向け主要補助金:小規模事業者持続化補助金(最大200万円)、IT導入補助金(最大450万円)、ものづくり補助金(最大1,250万円)、事業再構築補助金(最大1億円)
- 飲食店向け主要助成金:キャリアアップ助成金(正社員化で80万円/人)、雇用調整助成金、業務改善助成金、人材開発支援助成金
- 申請はGビズID取得から。公募スケジュールを把握し、少なくとも2ヶ月前から準備を始める
- 採択率を上げるコツは、現状を数値で示し、課題→施策→効果の論理的なつながりを明確にすること
- 認定支援機関を活用すれば、初めての申請でもスムーズに進められる。商工会議所の無料相談がおすすめ
- 交付決定前の支出は補助対象外になるなど、申請後の落とし穴にも要注意
- 補助金と助成金の併用で自己負担をさらに抑えられる
補助金・助成金は「知っている人だけが得をする」制度です。まずは自店に合った制度を1つ見つけ、今すぐ準備を始めましょう。小規模な飲食店でも、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金は十分に活用できます。国の支援制度をうまく活用し、設備投資や人材育成を進めて、経営基盤を強化してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 補助金と助成金の違いは何ですか?
A. 補助金は経済産業省管轄で事業計画書の審査があり、採択率は40〜60%程度です。一方、助成金は厚生労働省管轄で、定められた要件を満たせば原則として受給できます。補助金は設備投資や販路開拓、助成金は雇用や人材育成に関するものが中心です。どちらも後払い(先に自己資金で支出し、事業完了後に交付)である点は共通しています。
Q. 飲食店が最も申請しやすい補助金はどれですか?
A. 従業員5人以下の小規模な飲食店であれば、小規模事業者持続化補助金が最も申請しやすい補助金です。補助上限額は通常枠で50万円、特別枠で最大200万円。ホームページ作成、チラシ制作、看板設置、テイクアウト用設備など幅広い経費が対象です。IT化を進めたい場合はIT導入補助金(採択率60〜80%)もおすすめです。
Q. 補助金の申請にはどれくらいの準備期間が必要ですか?
A. 最低でも2ヶ月前からの準備が必要です。GビズIDプライムの取得に2〜3週間、事業計画書の作成に2〜4週間、書類の確認と提出に1〜2週間かかります。特にGビズIDは事前に取得しておかないと公募期間に間に合わない場合があるため、補助金の利用予定がなくても早めに取得しておくことをおすすめします。
Q. 補助金の採択率を上げるにはどうすればいいですか?
A. 事業計画書の質を高めることが最も重要です。具体的には、現状を数値で示す(売上推移、原価率等)、課題と解決策の因果関係を明確にする、定量的な効果予測を盛り込む、自店の独自性をアピールする、実現可能なスケジュールを提示する、の5点がポイントです。初めての方は商工会議所の無料相談や認定支援機関のサポートを活用しましょう。
Q. 複数の補助金・助成金を同時に申請できますか?
A. 管轄省庁が異なる補助金と助成金の組み合わせ(例:IT導入補助金+キャリアアップ助成金)は比較的併用しやすい傾向にあります。ただし、同一の経費に対して複数の制度を二重に申請することは禁止されています。また、補助金同士(例:持続化補助金とものづくり補助金)は併用制限がある場合が多いため、公募要領を必ず確認してください。


