「新規のお客様は来るのに、なかなかリピーターが増えない」。飲食店を経営する方なら、一度はこの悩みを感じたことがあるのではないでしょうか。
実は飲食店の売上の約8割は、リピーター(常連客)によって支えられています。新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストの5倍以上かかるとも言われます。
つまり、飲食店のリピーターを増やす方法を知り実践することが、安定経営への最短ルートなのです。
この記事では、飲食店のリピーターを増やす方法を心理学の観点から具体的な施策まで網羅的に解説します。LINE公式アカウント活用、ポイントカード、接客の工夫など、今日から使えるノウハウを詰め込みました。
自己紹介
元アフィリエイター。SEOアフィリエイトを武器に「お金借りる」「育毛剤 おすすめ」「わきが対策」などあらゆるBigキーワードにてSEO1位を獲得。2015年に起業後1年で年商1億円を突破。その後、飲食店のマーケティングにも携わり、Googleクチコミを1店舗で1万件を獲得。Webマーケティングの知識とGoogleクチコミの獲得ノウハウを元に、売上UPを目指す飲食店オーナーの方に広く伝えている。日本の素晴らしい食文化を世界の人にもっと知ってもらうこと、日本の外食産業で働く方の年収を1,000万円以上にするという目標を掲げて仕事に勤しんでる。
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株式会社WEBRIES 代表取締役
小宮 康利
飲食店のリピーターを増やす方法を知る前に|再来店の心理学

リピーター施策を始める前に、お客様が「また行きたい」と感じる心理を理解しましょう。心理的な仕組みを知ることで、施策の効果が大きく変わります。
再来店を決める3つの心理的要因
お客様が再来店を決めるとき、主に3つの要因が影響しています。
1つ目は「満足感」です。料理の味、接客態度、店内の雰囲気が期待を上回ったとき、再来店の意欲が生まれます。
2つ目は「記憶の鮮明さ」です。人は時間が経つと体験を忘れます。来店後3日以内に思い出すきっかけがあると、再来店率が大幅に高まります。
3つ目は「心理的なつながり」です。スタッフとの会話や特別扱いされた経験は、お店への愛着を生みます。この愛着が「常連客」を作る最大の原動力です。
「また来たい」と思わせるピークエンドの法則
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが提唱した「ピークエンドの法則」をご存じでしょうか。
人は体験全体ではなく「最も印象的だった瞬間」と「最後の瞬間」で体験全体を評価します。つまり、食事中の感動的な一皿と、退店時の心地よい接客があれば、お客様の記憶にポジティブな印象が残ります。
この法則を活用すれば、限られたリソースでも効果的にリピーターを増やせます。
リピート率の目標値と測定方法

リピーターを増やすには、まず現状を正しく把握することが大切です。数値で管理しなければ、改善の方向性が見えません。
リピート率の計算方法と業界平均
リピート率は以下の計算式で求められます。
リピート率(%)= リピート来店客数 ÷ 総来店客数 × 100
飲食業界の一般的なリピート率は、以下が目安です。
- 居酒屋・バー:30〜40%
- レストラン・食堂:20〜30%
- カフェ:40〜50%
- ファストフード:50〜60%
まずは自店のリピート率を算出し、業態平均を上回ることを目指しましょう。
リピート率を正確に計測するツールと仕組み
リピート率を計測するには、来店客を識別する仕組みが必要です。おすすめのツールを紹介します。
- POSレジの顧客管理機能を活用する
- LINE公式アカウントの友だち数と来店回数を連動させる
- ポイントカードやスタンプカードの利用データを集計する
- 予約管理システムのリピーター分析機能を使う
月次でリピート率を集計し、施策ごとの効果を検証する習慣をつけましょう。目標値は、現状から半年で5〜10ポイントの向上を設定するのが現実的です。
LINE公式アカウントを活用したリピーター獲得術

飲食店のリピーター施策で、今最も効果が高いのがLINE公式アカウントの活用です。日本のLINE利用率は約95%であり、ほぼすべてのお客様にリーチできます。
友だち登録を増やす3つの仕掛け
LINE公式アカウントの効果は、友だち数に比例します。以下の方法で登録を促進しましょう。
1つ目は、初回来店時の特典です。「LINE登録でドリンク1杯サービス」のように、その場で使える特典を用意します。
2つ目は、テーブルPOPの設置です。QRコード付きのPOPを全テーブルに置き、待ち時間に登録してもらいます。
3つ目は、会計時の声かけです。「LINEでお得な情報をお届けしています」と一言添えるだけで登録率が上がります。
再来店につながるメッセージ配信のコツ
LINEで友だちを集めても、配信内容が魅力的でなければ再来店にはつながりません。以下のポイントを意識してください。
- 配信頻度は週1〜2回が最適(多すぎるとブロックされる)
- 限定クーポンは「3日以内」など期限を短く設定する
- 新メニューの写真は「食欲をそそる角度」で撮影する
- 雨の日限定クーポンなど天候に応じた配信が効果的
- 一方的な宣伝ではなく役立つ情報も混ぜる
特に「来店後3日以内のサンクスメッセージ」は、再来店率を約15%向上させるというデータもあります。
ポイントカード・スタンプカードで常連客を増やす

ポイントカードやスタンプカードは、飲食店の王道リピーター施策です。ただし、設計を間違えると逆効果になります。正しい運用方法を解説します。
効果的なスタンプカードの設計ルール
スタンプカードで最も重要なのは「ゴールまでの距離感」です。以下のルールを守りましょう。
- スタンプ数は5〜10個が最適(多すぎると挫折する)
- 初回来店時に2個押す(心理学の「進捗効果」を利用)
- 特典は「次回ドリンク無料」など具体的な内容にする
- 有効期限は3〜6ヶ月に設定する
「あと1個で特典がもらえる」という状況は、再来店の強力な動機になります。
デジタルポイントカードへの移行メリット
紙のスタンプカードは「忘れた」「なくした」が最大の課題です。デジタル化することで、この問題を解消できます。
デジタルポイントカードの主なメリットは以下の通りです。
- お客様がカードを忘れる心配がない
- 来店データを自動で蓄積・分析できる
- プッシュ通知でリマインドを送れる
- ポイント残高の確認がスマホで簡単にできる
LINEのショップカード機能を使えば、無料でデジタルスタンプカードを始められます。
接客の工夫でリピーターを生み出す方法

料理の味だけでは、リピーターは生まれません。お客様が「また行きたい」と感じるのは、接客を通じた人とのつながりです。
常連客を育てる「名前で呼ぶ接客」
人は自分の名前を呼ばれると、特別感を覚えます。予約のお客様は来店時に「○○様、お待ちしておりました」と名前で迎えましょう。
常連客については、好みのメニューや前回の会話内容をメモしておくと効果的です。「前回のパスタ、お気に召していただけましたか」といった一言が、強い愛着を生みます。
顧客情報はPOSレジの顧客管理機能やノートに記録し、スタッフ間で共有する仕組みを作りましょう。
退店時の接客が再来店を左右する
前述の「ピークエンドの法則」で触れた通り、退店時の印象は非常に重要です。以下の工夫を取り入れてください。
- 出口までお見送りをする
- 「また○○様にお会いできるのを楽しみにしています」と伝える
- 天候が悪い日は「お気をつけてお帰りください」と一言添える
- 手書きのお礼カードを渡す(特別な日の来店時)
これらは費用ゼロで実践でき、効果は絶大です。退店時の印象を高めるだけで、リピート率が10%以上改善した事例もあります。
メニューの定期リニューアルで飽きさせない

どんなに美味しい料理でも、毎回同じメニューでは飽きが来ます。適度なリニューアルで、お客様の「新しい発見」を演出しましょう。
季節限定メニューの効果的な導入方法
季節限定メニューは、リピーターに再来店の理由を与えます。導入のポイントを解説します。
- 3ヶ月ごとに2〜3品の限定メニューを用意する
- 「期間限定」「今月だけ」の表現で希少性を演出する
- SNSやLINEで事前に告知し、期待感を高める
- 定番メニューは変えず、限定メニューだけを入れ替える
特に「この季節にしか食べられない」という希少性は、お客様の来店動機を強力に刺激します。
メニュー表の見せ方を工夫する
メニュー表のデザインや構成を定期的に変えるだけでも、鮮度を保てます。以下の工夫が効果的です。
- 「店長おすすめ」「今週の人気No.1」などのラベルを追加する
- 料理の写真を季節ごとに撮り直す
- スタッフの手書きコメントを添える
- おすすめの組み合わせ(ペアリング)を提案する
メニュー表は「店の顔」です。汚れや色あせがないか、定期的にチェックしましょう。
誕生日特典・DM・メルマガで特別感を演出する

お客様一人ひとりに合わせたパーソナルな施策は、リピート率を大幅に向上させます。「自分だけの特別扱い」は、最も強い再来店動機になります。
誕生日特典でリピーターの心をつかむ
誕生日月のお客様に特典を提供する施策は、高い効果が期待できます。具体的な方法を紹介します。
- LINE公式アカウントで誕生月にクーポンを自動配信する
- 誕生日当日の来店にはデザートプレートをサービスする
- バースデーカードを手書きで用意する
- 「お連れ様1名分無料」など同伴者特典で団体利用を促す
誕生日特典の利用率は約30〜40%と高く、さらに平均客単価が通常より20%ほど上がる傾向があります。グループで来店するケースが多いためです。
DMやメルマガで「忘れられない店」になる
LINE以外にも、DMやメルマガで再来店を促す方法があります。ターゲットに応じて使い分けましょう。
- ハガキDM:高齢層やLINEを使わないお客様に有効
- メルマガ:法人利用の多い飲食店に適している
- 手書きDM:VIP顧客への特別なアプローチに最適
DMやメルマガの内容は、以下の要素を含めると効果的です。
- 前回の来店に対するお礼
- 新メニューや季節限定メニューの案内
- 限定クーポンの同封
- 次回来店時に使える特典情報
配信のタイミングは、前回来店から2〜4週間後が最適です。間隔が空きすぎると、お店の記憶が薄れてしまいます。
口コミを通じた信頼構築でリピーターを増やす

口コミは新規集客だけでなく、リピーター獲得にも大きな効果があります。良い口コミが集まるお店には、自然と常連客が増えていきます。
口コミがリピートにつながる理由
口コミを書いたお客様は、書かなかったお客様よりもリピート率が約1.5倍高いとされています。
これは「一貫性の原理」という心理効果が働くためです。「良い口コミを書いた」という行動と一貫する形で「また行こう」という気持ちが生まれるのです。
つまり、口コミを書いてもらうこと自体がリピーター施策になります。
口コミの増やし方について詳しくは、Google口コミの増やし方完全ガイドをご覧ください。
口コミ返信で「また行きたい」を引き出す
口コミへの丁寧な返信は、リピート意欲を高めます。効果的な返信のポイントは以下の通りです。
- お客様の名前(ニックネーム)を返信冒頭に入れる
- 具体的な料理名やエピソードに触れて感謝を伝える
- 「次回はぜひ○○もお試しください」と次の来店理由を提示する
- 返信は48時間以内を目安に行う
口コミ返信を通じてお客様との関係性を築くことで、一度きりの来店を継続的なリピートへと変えられます。
MEO対策と口コミの関連性について詳しく知りたい方は、MEO対策完全ガイドもあわせてお読みください。
まとめ:飲食店のリピーターを増やすには仕組みと継続が不可欠

飲食店のリピーターを増やす方法について、心理学から具体的な施策まで幅広く解説しました。最後に要点を整理します。
- 再来店の心理を理解し、ピークエンドの法則を意識する
- リピート率を数値で計測し、月次で改善を回す
- LINE公式アカウントで来店後のフォローを仕組み化する
- ポイントカードやスタンプカードで来店動機を作る
- 接客の工夫で「人」のつながりを築く
- メニューの定期リニューアルで飽きさせない
- 誕生日特典やDMでパーソナルな体験を提供する
- 口コミを書いてもらうこと自体がリピーター施策になる
すべてを一度に始める必要はありません。まずはLINE公式アカウントの開設と、退店時の接客改善から取り組むのがおすすめです。小さな施策の積み重ねが、半年後には大きなリピート率の向上として現れます。
大切なのは、一つひとつの施策を仕組みとして定着させ、継続することです。
よくある質問(FAQ)
Q. 飲食店のリピート率はどのくらいが目安ですか?
A. 業態によって異なりますが、居酒屋で30〜40%、レストランで20〜30%、カフェで40〜50%が一般的な目安です。まずは自店のリピート率を計測し、業態平均を上回ることを目標にしましょう。
Q. リピーターを増やすために最初に取り組むべき施策は何ですか?
A. LINE公式アカウントの開設と退店時の接客改善がおすすめです。LINEは無料で始められ、来店後のフォローを自動化できます。退店時の丁寧な接客は費用ゼロで効果が高い施策です。
Q. スタンプカードのスタンプ数は何個が最適ですか?
A. 5〜10個が最適です。多すぎるとゴールが遠く感じられ、途中で挫折するお客様が増えます。初回来店時に2個押す「進捗効果」を取り入れると、達成意欲がさらに高まります。
Q. リピーター施策の効果はどのくらいで現れますか?
A. 一般的に3〜6ヶ月で効果が実感できます。LINE配信やスタンプカードは比較的早く効果が出やすく、接客改善やメニューリニューアルはじわじわと効果が蓄積されます。継続することが最も重要です。
Q. 新規集客とリピーター施策はどちらを優先すべきですか?
A. リピーター施策を優先するのがおすすめです。新規顧客の獲得コストはリピーター維持の5倍以上かかるとされています。まずリピーターを増やして売上の土台を作り、その上で新規集客を強化するのが効率的です。


